遡る事今から20数年前、相羽会長の「価値観合う人たちの街づくりをしたい」の一言からソーラータウンの計画はスタートしました。
主に戸建て住宅を手掛けていましたが、集って暮らすことでの豊かさへの挑戦でした。
当時、分譲住宅とはハウスメーカーやパワービルダーによるある意味画一的な集落というのが一般的。南仏風なんて流行っている時代でした。
会長の命を受けて相羽建設が掲げたコンセプトは「永く快適に住み続けられる住まい」。隣家との間に緑が生い茂り、日曜ともなれば住戸間を駆け巡る子供や犬の散歩でふらり立ち寄る人で賑わうような街づくりを描きました。
日頃よりお世話になっているOM研究所(永田昌民先生)、伊礼智設計室さんへ相談し、工務店+建築家の協働プロジェクトがスタートしたのでした。

19戸の計画で目指したものは、住み続けたいと思わせる気持ち良さを備え、作る時壊す時にエネルギーがかからない省エネを実現した小さな住まい、そして構造的にも健康的にも安全が確保された住まいを骨子としました。
そこで暮らす皆さんが心豊かに歴史を刻んでいっていけるような。お子さんたちが元気に巣立っていく原風景を目指したのでした、

何かいいなあと感じられる風景は基本的な原形で統一されているもの。
共に住むための共通性を設け、それに少し変化をつけていい塩梅の境界とし共に住まうきっかけにしました。
集合体として生き生きとした表情を持っているのは、まず外観や配置に一つの共通するコードを持たせており、それを各所に配された緑によってやわらげるように計画した所以といえます。

建築物はどうしても固いのでそれをやわらげるため緑を取り入れる。それが周囲とのちょうどいい距離感になるとともに、年月を経るごとに表情豊かにやさしい雰囲気にしてくれます。集合することで周りから浮き立つことなく小さな街並みとして佇む街づくりを目指したのでした。

例えば、道路からのアプローチはセミパブリックな性格を持っているもの、そこで必ず一本の木を共通の要素として植えて、枕木を使った舗装も統一。プライベートとパブリックの線引き。緩やかな線引きがなされ、守られながら緩やかに街に開くことがちょうどよい距離感につながっています。