OM研究所さんからの「建築屋としてのいい街づくりしましょうよ」との意見で、開発業者から提案された区割図を変更しました。
そもそも開発行為のための分割計画は、当時あった住宅金融公庫の融資基準からだいたい面積100㎡以上で、収益を上げるための区画数を確保する意図で計画されます。1区画ごと建物やお庭がいい形になるように検討して区画数を減らし、また街並み全体として少し表情をつけそこそこでコミュニケーションの場が生まれるよう道路を少し曲げて計画。住み続けたいと思わせる気持ち良い街を目指しました。
プロデューサーの迎川さん曰く、
街並み全体としては、基本的な原形で統一し共に住むための共通性を設け、それに少し変化をつけていい塩梅の境界としました。
まず外観や配置に一つの共通するコードを持たせており、それを各所に配された緑によってやわらげるように計画。カチッとモダンでもいいが曖昧に馴染ませたい。何かいいなあと感じられる風景を目指ざしました(談)。
1区画あたりおおよそ敷地37坪、建物27坪。全19戸の街づくりに決定しました。各戸外構植栽計画まで定めて、ソーラータウンとして全体の街並み、5年後10年後、緑も馴染み建物も経年美化を経たすがたを見据えた計画となりました。個人的にとても勉強になりました。

周辺相場より面積的にややゆとりのプランです。懸念として、内容を問わずとも(建物上質・外構植栽含み・敷地面積やや大)販売価格が相場観と乖離してしまう事でした。
伊礼智先生の上質な住まいをクオリティ高く標準化。プレタポルテの設計を積極的に勉強しました。建物のクオリティを維持しながらコスト管理にも取り組めました。歩掛に留意して計画、設計しながら発注できたりとメリットがあります。
当時まだ名称は「システム アイ(仮)」といっていました。当時の会議資料を見返すとこの「システム アイ」の進捗が3歩進んで2歩下がりながら進んでいることが読み返せます。
ではそれが実際に出来るのか!?
一旦建築して実証する意味で「モデルハウス」を計画しました。となり街の東久留米市下里に用地を取得しチャレンジすることに。これを機会に「i-works(アイ ワークス)」と名称が決定したのでした。
話が伸びてしまったのでまた次回に続きます。